エヌビディア(NVDA)徹底解説|生成AI×半導体で時価総額4兆ドルの注目銘柄

未分類

※2024年6月紹介銘柄(2025年7月加筆)


生成AIブームの勝者

エヌビディア/Nvidia(NVDA)は半導体大手の一角という立ち位置から、AI開発やデータセンター、自動運転に不可欠な先端半導体で圧倒的なシェアを掴み躍進を果たした企業です。
2025年7月には世界で初めて時価総額4兆ドルの大台を突破して「4 トリリオン・クラブ」企業となり、半導体のみならず、米国を代表する企業としての地位を築きました。
「AIゴールドラッシュ」の「ツルハシ屋」であり、最大の勝者でもあります。
ただ一方で、いまや時価総額世界一の座を争うまでに大きくなった企業が、これからも成長し続けるのかについては意見が分かれます。
AI市場投資倶楽部(AIツールオフ会)では2024年6月にエヌビディアを紹介しており、そこからは株価も業績も大きく伸びていますが、ここで今一度エヌビディアの事業や業績を振り返り、今後の展開についても探っていきます。

企業概要

・会社名 エヌビディア(NVIDIA Corp)
・株 式 NASDAQ市場(NVDA)
・所在地 カリフォルニア州サンタクララ
・代表者 ジェンスン・フアンCEO
・創業年 1993年創業、1998年1月設立
・主要事業 GPU設計専業から AI半導体プラットフォーム へ進化。
・売上構成 データセンター 70%、ゲーミング 15%、自動車&その他 15%。
・サイト https://www.nvidia.com/

ゲーム用半導体からAIへ

エヌビディアは、半導体業界が直面していたCPUの高速化という問題を解決し、ゲームとマルチメディア市場に 3D グラフィックスをもたらすというビジョンを持って1993年に設立された半導体開発企業です。 1999年に世界初のGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を発表し、その後のエヌビディアを代表する事業となります。 GPUはグラフィックスや 3D画像の高速処理を得意とする演算装置でしたが、CPUよりも多様なタスクを並列する能力に秀でる特性がAI開発のニーズとマッチし、ほぼ全てのAI開発(大規模言語モデルの開発)にエヌビディア製のGPUが採用されるたことになりました。 画像の処理能力を重視するゲーマー達の間では知られている、くらいの知名度だったエヌビディアはAI開発の波に乗る形で爆発的な成長を果たし、時価総額世界トップを記録する超巨大企業となりました。 空前のAIゴールドラッシュの”ツルハシ屋”となったのです。

エヌビディアの略歴

  • 1993年4月5日 ジェンスン・ファン(Jensen Huang)、クリス・マラコウスキー(Chris Malachowsky)、カーティス・プリエム(Curtis Priem) の3人でカリフォルニア州サニーベールにNVIDIA を設立。
  • 1999年1月22日  NASDAQ に上場(IPO)。公開価格は 19.69 ドル。
  • 1999年10月11日 世界初の“GPU”とされる「GeForce 256」を発売。
  • 2000年12月15日 – 競合 3dfx の資産を 6.8 億ドルで買収する契約を締結(2002年完了)。
  • 2006年   GPU コンピューティング基盤「CUDA」を発表(2007年2月に初版リリース)。
  • 2020年5月14日 GPU「A100 」 を公開、AI 需要が急拡大。
  • 2021年4月12日 データセンター向けCPU「Grace」を発表。
  • 2022年3月22日 GPU「 H100」を発表。
  • 2023年5月30日 半導体企業として初の時価総額1 兆ドル突破。
  • 2024年3月18日  次世代 Blackwell アーキテクチャ(B100/B200)を発表。
  • 2024年6月10日  10 対 1 の株式分割を実施。
  • 2025年7月 時価総額は4 兆ドルに達し、世界で最も価値の高い企業に。
  • 2025年秋 米国輸出規制に対応した中国向け Blackwell GPU「RTX 6000D」を出荷予定。

カリスマ創業者ジェンスン・ファンCEO

エヌビディアを語るうえで欠かすことのできないファクターが、カリスマ創業者、ジェンスン・ファンCEOの存在です。いつもトレードマークの「皮ジャン」をさっそうと着こなし、圧倒的なオーラを放つファンCEOはまさにエヌビディアの中心です。 ファン氏は1963年台湾生まれ、9歳の時に米国ワシントン州に引っ越して叔父と暮らし始めました。高校を2学年飛び級して16歳でオレゴン州立大学電気工学部に入学すると、その後スタンフォード大学でも学び、卒業後はLSIロジック社に入社します。 LSIロジック社ではCPUの高速化を研究しましたが、CPUの限界に直面、この事がファン氏のその後の人生を変えることになります。 ファン氏は1993年に、クリス・マラコウスキー氏、カーティス・プリエム氏と3人でNVIDIAを設立しました。

エヌビディアの最新決算

エヌビディアの最新決算(2026会計年度第1四半期[2–4月期])では、売上高が前年同期比69%増の441億ドルに達しています。 その約9割をデータセンター部門が稼いでおり、高収益をけん引しています。 さらにAI開発向けの次世代半導体チップ「Blackwell」は2025年だけで500万台超の出荷が予想され、米国政府の輸出規制で停滞していた中国向け半導体も、規制対応モデル「RTX 6000D」の承認により販売再開への道筋が見え、市場拡大余地はなお大きいとみられます。

市場・テーマ概況

エヌビディアが多くの事業を展開する半導体市場の概況を見てみましょう。 半導体セクターは生成AIやクラウド向けのGPU需要が加速しており、2025年6月の半導体指数は+14.8%を記録しました。 エヌビディアの懸念事項だった米国の対中輸出規制についても、緩和見通しが出たことで中国向けにもGPUの販売を再開できる目処が立ちました。

エヌビディアの強み

時価総額トップを記録するまでになったエヌビディアの強みは何でしょうか。もちろんさまざまな要素がありますが、主なものとしては以下のものがあげられます。

AI開発用のGPUを独占

AI開発用のGPUではエヌビディアが市場をほぼ独占している状況にあり、エヌビディアの業績をお仕上げた最大の要因になります。 オープンAIがChatGPT 3.5の開発に使ったGPU「A100」は1台約1万ドルで、オープンAIではA100を3万台使ってAIのトレーニングに充てたと言われています。 A100の後継にあたる「H100」は1台約4万ドルという高価格ですが、オープンAI、グーグル、メタ、xAIといった世界的な企業がH100の争奪戦を繰り広げ、エヌビディアに莫大な利益をもたらしています。 エヌビディアでは既に次世代モデル「Blackwel B200」が発表済で、供給間近となっています。B200についても争奪戦を続いており、中核であるAI向半導体チップの勢いは続いています。

開発環境「CUDA」の存在

エヌビディアは世界中の研究施設や工学系大学にGPUを使った開発環境「CUDA」を提供しています。AIや先端コンピューター技術の研究者はほぼほぼこのCUDAを使って開発する手法を身に着けています。 CUDAを使ったアプリケーションが動くのは実施的にエヌビディアGPUだけであり、開発者側は必然的にエヌビディア製品の使用を前提とした方法を採用しやすくなります。 CUDAによって強力な参入障壁が築かれているのです。

充實のスタートアップ投資

世界有数の利益を有む企業であるエヌビディアは、当然のことながら豊富な資金を持っています。エヌビディアは自社事業はもちろん、有望なスタートアップ企業への投資も盛んに行っており、将来の事業の芽を育ています。 投資分野はロボティクス、農業、医療、製薬などの分野に広がっており、有望企業も育っています。

エヌビディアの弱みとリスク

盤石に見えるエヌビディアにも当然弱みやリスクはあります。企業経営としてのリスクと投資としてのリスクでは少し違いますが、企業経営に限定すると以下のような項目があげられます。

・半導体競争の激化
・米国の半導体輸出規制
・カリスマ創業者ジェンスン・ファン氏への依存度

半導体競争の激化

  • エヌビディアの主戦場であるAI向半導体やGPUは元々激しい開発競争の続く市場でもあります。AMDやインテルなどの半導体メーカーや、スタートアップ企業もエヌビディア製品を上回る半導体チップの開発を目指しています。 実際、しばしば「エヌビディア超えの半導体を開発!」といった形でエヌビディア製GPUより処理速度や消費電力性能が優れる半導体チップを開発したというニュースが流れてきます。 但し高性能な半導体チップの試作に成功したという話と、最新のチップを量産し販売するという話は全く次元が異なる話なのでそこは理解しておく必要が

あります。

米国の半導体輸出規制

米国の主に対中国を想定した半導体輸出規制はエヌビディアの事業に大きな影響を与えます。エヌビディアにとって中国は売上の約20%を占める重要な市場なのですが、「H100」を始めとする高スペックの製品は中国に出荷することができません。 エヌビディアは対中輸出向けにスペックを落としたGPU「H20」などの製品を開発しましたが、これも米国の規制強化によって輸出が禁止されてしまいました。 それでもエヌビディアは輸出規制を回避した製品を開発し、中国へのGPU輸出を再開させています。 米国、中国の政治リスクは今後も付いて回るリスクと言えるでしょう。

カリスマ創業者ジェンスン・ファン氏への依存度

エヌビディアはなんといっても創業者、ジェンスン・フアン氏の強力なリーダーシップの元で成長してきた会社です。そのため良くも悪くもジェンスン・フアン氏の行動が業績や株価に影響を与えてしまいます。ファン氏に不測の事態でもあればエヌビディアは大きな経営不安に襲われることになり、リスク要因と言えます。

エヌビディアの競合企業

半導体業界は開発競争の激しい分野ですが、その中でもエヌビディアが君臨する「ロジック半導体(GPU, CPUなど)」のセクターは新旧の企業が熾烈な競争を繰り広げている部門です。その中でまず競合企業としてあがるのがAMD、インテル、ブロードコムといった大手半導体メーカーです。

AMD (アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)

近年AI関連企業を相次いで買収し、エヌビディアの独走を阻止する可能性を秘めた有力なライバルと見なされています 。

インテル

AMDと同様にAIチップの開発に注力しており、市場での競争が激化しています。

ブロードコム

データセンター向けソリューションを得意とし、エヌビディアに次ぐ注目銘柄として挙げられています。

スタートアップ企業も参戦

AI向け半導体チップの開発を目指したスタートアップ企業も続々と登場しています。Etched、Rain Neuromorphics、CognifiberといったスタートアップがAI半導体チップの開発に挑んであり、エヌビディア製GPUを超える性能値を記録したというニュースも時々流れます。こうした勢力はもちろん脅威ではあるのですが、これらが試作品を製造ラインに落とし、量産し、大量の製品の販売に結びつけられるかはまた別の話なので注意が必要です。
そうした要素を加味すると、もっとも脅威となり得る新興勢力はセレブラスになるかも知れません。
セレブラスは既にエヌビディア製品より高速なAI半導体チップの開発に成功しただけではなく、生産ライン(TSMS)と買い手(G42)を確保しているという点で大きなアドバンテージを持っています。
またグーグルやアップル、マイクロソフト、アマゾンといったITビックテック企業もAIチップの独自開発を進めており、競合関係にあります。

エヌビディアの株式情報

投資目線の指標

基準ポイント
市場AI・データセンター向けGPUトップシェア
財務健全性売上・EPSとも2桁成長、自己資本比率50%超
市場評価PER 50〜60倍と高いが、高い成長率で許容
競合優位性CUDAエコシステムで高い参入障壁
リスク耐性規制・サプライチェーン分散で対応

株式のリスク

エヌビディアの株式投資上の留意点としてはPERの高さがあげられます。エヌビディア株のPER は50倍を超える高い水準にあり、金利上昇局面では株価の下押し要因となります。それでもエヌビディアは高い成長率を続けており、高いPERを納得させています。

銘柄サマリー表(主要半導体3社比較)

ティッカー株価 (USD)PER (TTM)時価総額 (兆USD)備考
NVDA172.4156.54.21AI特化GPUで独走
AMD156.9953.80.25データセンター/PC向けCPU・GPU
INTC23.10−5.160.10再建中、経営トップ交代

財務ハイライト

指標FY2025予想前年比
売上高1800億USD+110%
EPS (GAAP)3.05USD+95%
営業マージン55%+8pt

セクター内比較・ETF活用

対象PER売上成長率主な特徴
NVDA56100%超AI向けGPU独占に近いポジション
AMD5440%MI300シリーズでデータセンター攻勢
INTC5%Foundry戦略再構築中
SOXX (ETF)33NVDA約8%、ブロードコム・AMD等を広く組入

エヌビディア株は価格の変動幅(ボラリティ)が比較的大きい銘柄となっています。個別株としてのボラティリティが心配な場合にはSOXXなどのETFを使った分散投資も選択肢にってきます。ETFで考える場合は、エヌビディアのウェイトが高く、テーマ投資と分散のバランスを取りやすいものが候補となります。


投資ストラテジー例

スタイル期間売買タイミング目安リターンリスク管理
短期トレード〜3ヶ月決算発表前のモメンタム狙い+10〜15%出口を逆指値で厳格に
中長期保有1〜3年調整局面(50日線割れ)で分割購入+40〜60%下落時にSOXXでヘッジ
コア+サテライト随時ポートフォリオ5%をNVDA、同3%をSOXXポート全体のα向上定期リバランス

まとめ

AI半導体の市場においてエヌビディア一強の構図は当面継続すると見る意見が強いです。もちろん競合他社もAI半導体の開発を進めていますし、スタートアップも相次いで名乗りをあげています。こうした動きは注視していく必要がありますが、安定した品質、量産体制の構築、買い手の確保など超えなければいけないハードルが多く簡単にはエヌビディアの牙城を崩すことはできません。}ロボティクス分野を筆頭にAIの次の市場も見据えて着々と手を打っています。 投資対象として見ると、高いPERはリスク要因ですが成長期待の裏返しでもあります。ボラリティの高さをよく理解しながら付き合っていく銘柄といえそうです。


免責事項

本サイトの記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価や指標は2025年7月19日時点のデータに基づきます。将来の成果を保証するものではありません。 投資判断はご自身の責任で行ってください。

コメント